はいどーもーみっちーです!
最近では良く耳にする【ヘルスリテラシー】という言葉ですが、これは【ヘルス】+【リテラシー】という言葉が合わさってできた造語です。
ヘルスというのは「健康」を指す言葉で、リテラシーとは「識字率」とされているようです。
健康+識字率…
健康も何をもって健康なのか、識字力も何をもって読み書きできる力なのか漠然としていてよく分かりませんね!
ここでは2つの言葉を紐解いて今後正しくヘルスリテラシーを上げて頂けたらと思います。
健康(health)
世界保健機構(WHO)が定義した健康とは
「肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」と定義しています。
難しく書いてますが、健康という価値観の違いによって、人それぞれ健康という主張が変わってきます。
詳しくは、こちらを参照してください↓
リテラシー(literacy)
1991年にアメリカのものでは、「英語で読み書きし、仕事及び社会において機能するため必要とされる水準で、問題を見積り、解決する、達成する、知識と可能性を発掘するための個人の能力」と定義しています。
しかし、時代の流れとともに、少し使い方が変わってきているようで、一般的にわかりやすいのは「何らかの分野でも、書かれている内容を理解し、整理し、活用、正確に情報を使用していく」ことです。
ヘルスリテラシ―の定義
初めに「健康」と「リテラシー」を足してできた造語と説明しました。
健康とリテラシーを理解した上で世界保健機構はヘルスリテラシ―を
「いい健康を維持促進するために情報へアクセスし、理解し、活用する動機付けと能力を決定する認知的、社会的スキルを意味する」と定義づけました。
そして、元々リテラシーの研究分野でリテラシーを段階的に3つのタイプ(機能的、相互作用的、批判的)に分類されており、2000年にNutbeamによりヘルスリテラシ―を3つ(機能的、相互作用的、批判的)に分類しました。
ではこ3つの分類がどのようなものか紹介していきます。
機能的ヘルスリテラシー
ここでの機能的とは、『正確で有用性のある情報の取得・実施』です。
確かな情報を入手できるようになれば、健康の知識も上がりますし、実践する事だって容易になると思います。
個人単位が広がれば、集団としてもみんなで集まって自分たちの知識を持ち寄って実践する、このように大きな輪ができていきます。
この機能的ヘルスリテラシーは確かな情報を取得し、それを実践できる力のことで、このリテラシーが向上すれば、個人単位、集団単位で健康のスキルが向上するわけです。
相互作用的ヘルスリテラシー
ここでの相互作用的とは、『支援的環境の中で個人のスキル発展』していく事です。
例えば、健康診断などでどうしたら良いかなどのアドバイスを貰ったとします。
そうした場合に、アドバイスと知識に基づき自立して行動する能力・動機付け・自己効力感が上がって更なる知識がつきます。
そのアドバイスを集団グループに教えることでそのグループ全体で情報が共有でき、反対に逆パターンあり教えてもらうことができるなどお互いに作用して能力を向上できるようになる、これが相互作用的ヘルスリテラシーです。
批判的ヘルスリテラシー
批判的ヘルスリテラシーとは、『個人とコミュニティのエンパワーメント』していくことです。
まずエンパワーメントとは、能力開花や権限付与などの意味合いがあるようで、簡単に言うと、個人も集団も力を付けていく、力を付けさせていくことです。
もちろん批判的という言葉もついているので、批判的に捉えて考えていくというリテラシーなんです。
難しい言い回しになってしまいましたが、結局のところ、
1つの物事に対して、「その情報は本当に正しいのだろうか」という視点を持ってさらに知識を深めていくことです。
例えば、「民間療法が癌に効く!」なんて言う広告があったとしましょう。
鵜呑みにしてしまえば、そのまま実行に移すと思います。
しかし、批判的な捉え方をすれば、本当に正しいのか疑えば、医師に聞く、もしくは自分で調べるといった風な流れになると思います。
これに関しては、ネットで調べたこと、周りから聞いたことすべてに適応され、鵜呑みにせず自分で聞いたこと調べたことを理解し解釈したものをしっかり持っていきましょうということです。
本当に正しいのだろうかと自分で調べているうちに自然と身につく力でもあると思います。
ここではその情報が本当に正しいのかを疑うということを知っておいてほしいです。
ヘルスリテラシ―を低いとどうなる?
ヘルスリテラシーが低い事で以下のポイントで支障が出てしまいます。
・適切な医療を受けられない
・専門家によるサポートや支援が受けられない
・健康を維持できない
このポイントというのは共通点があると指摘されています。
共通点とは、【ヘルスリテラシーが低いがための羞恥心】です。
外国のデータでは、ヘルスリテラシーが不十分なための羞恥心から、逃避、否認、怒りと言った行動が出て治療が効果的に行えなかったとあります。
他にも、羞恥心などから劣等感を感じコミュニティにおけるサポートや支援が妨げられる可能性があるとしています。
そのためヘルスリテラシーが低いと
・入院率が高い
・病気の治療方法などに理解できず納得がいかない
・主観的健康観が低い
・高い治療費(民間療法等を含む)
・自己管理が悪い
等の結果になってしまいます。
このような結果だけは健康どころかまずは命に関わることなので避けなければなりません。
ヘルスリテラシーを向上させるには?
ヘルスリテラシーを向上するには、先ほど紹介した3つのリテラシー、「機能的ヘルスリテラシー」、「相互作用的ヘルスリテラシー」、「批判的ヘルスリテラシー」をできるようになることです。
しかし、調べる、実践する、仲間募って情報交換、情報の正当性を吟味、単純に言うと簡単そうですが、やはり難しいと思います。
ここで大事になるのが健康教育です。
健康教育とは
「個人とコミュニティの健康を促進し、社会の発展を目指すための意識的に構築された学習機会」
と説明されています。
この教育においてのヘルスリテラシーの概念として
・対人コミュニケーション
・社会と健康との関係
・計画立案と実行
・健康の規定要因
・意思決定
・リスク認知
・社会参加
という7つの要因があります。
どのようにしたら健康になれるか、調べたことはどれだけ安全で健康に結びつくか、1人だけではなくみんなでどれだけ支え合えるか、どれだけ自分を信じ計画して実行できるかがヘルスリテラシーをあげるコツだと思います。
ここまでを意識的に頑張って理解しようとしても機会がないと難しいもので、詳しい人に聞いても専門用語が飛び交ったりしてちんぷんかんぷんになることも多々あると思います。
そこに関しては、周りの責任であり、専門家はわかりやすい専門用語を抜いた説明をする義務があります。
教育は、教える側と教わる側がいると思いますが、教える側はしっかりと場所や正確な情報をわかりやすく提供する義務がありますが、教わる側もその場に出向く、わからないことがあれば遠慮なく聞く姿勢が大事だと考えています。
教育には、周りがしっかりとサポートと支援を行える環境を整える(ヘルスプロモーション)かが重要になってきますが、この話はまた後日。
まとめ
ヘルスリテラシーについて、機能的、相互作用的、批判的ヘルスリテラシーと出てきましたが、ヘルスリテラシーが低いと、騙されて最悪なケースだと死にいたります。
絶対に高めておいて損はないですが、反対に低いと恐ろしい結果になってしまう可能性があります。
まあ、難しい話は抜きにして、周りと一緒に生存確認という意味ではありませんが、顔を合わせて笑いあえてたらいいのかななんてことも思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
みなさんの健康に少しでも役にたてば幸いです。
参考文献
※1健康教育におけるヘルスリテラシ―の概念と応用(大竹ら 2004)
※2健康リテラシーの概念と評価(渡邉ら 2001)