はいどーもーみっちーです!!
本日は、他動的に関節可動域訓練をみなさん実施していると思いますが、早さなど、なにも考えずに動かしてはいませんか?
今回は自戒の念を込めまして、伸張反射の話を中心に調べたことを載せていきます。
他動的関節可動域訓練とは
他動的関節運動(他動運動)は主動筋の随意収縮を伴わずに関節に動きを起こす運動であるため関節可動域運動の種類として捉えられています。
目的としては、可動域の改善や筋緊張の緩和を主にすると思います。※筋出力発揮を目的にならない可能性があるという文献あり
伸張反射とは
脊髄反射の一つで、骨格筋が受動的に引き延ばされると、筋紡錘・腱器官が刺激を受けて、その筋が収縮して元に戻ろうとする現象です。
起こる理由としては、運動制御、特に姿勢維持において重要な働きをします。
そして、伸張反射に関わっている神経回路は
・単シナプス性のshort-Iatency reflex
→筋長を調節する機構
・多シナプス性のlong-iatency reflex
→筋紡錘の感受性を上げる機構
があります。
伸張された場合の張力は、
- 皮膚、結合組織、関節などの受動的要素による張力
- 収縮筋の粘弾性による張力
- 神経活動によって発現される筋収縮による張力
これらが合計して伸張反射の張力が決まります。
伸張反射を臨床で
脳血管障害や脊髄小脳系の疾患になった場合、筋緊張が増して、ROMexを他動で実施すると思います。
大脳皮質や小脳でのコントロールが不十分になることで、筋紡錘からの情報を正しく出力することができなくなります。
その結果、筋紡錘の感受性を異常に上げてしまい、その出力内容が学習され、筋緊張が高まり、伸張反射が常に出てしまう体になってしまいます。
反対に、スポーツなどでは、伸張反射を用いて、筋の感受性を上げることで反応速度が増したというデータもあります。
臨床では、なぜ伸張反射の張力が増しているのかを判断して、介入しなければなりません。
感受性が高まっている状態では、筋紡錘の活動性を下げ、求心性の入力を抑える。
粘弾性が高くなっていれば、ストレッチやマッサージで粘弾性を下げます。
皮膚、結合組織、関節などの張力は慣性モーメントやトルクを考え、強さ・速さなどを調節します。
神経活動の異常では無駄な入力は避け、筋活動を抑えるようにする。
など要素によって介入の方法などが変わってきます。
終わりに
他動的なROMexは関節拘縮予防や、筋緊張の緩和で用いられることが多いエクササイズだと思います。
しかし、問題点をしっかり評価した上で行わなければ、ただただ筋緊張を上げてしまい、コントロールができない状態を作り上げてしまうことに繋がります。
・なにが起きているかをまず評価すること
・張力に合わせて、適切な強度・速さで行うこと
これらを気を付けて行わなければならないことを勉強することができました。
ぜひ参考になればと思います。
本日も最後までみていただきありがとうございました。
では!!!!!
参考文献
基礎運動学
筋運動制御機構 伊藤宏司
他動的関節運動が筋出力に与える影響 村上茂雄ら
伸張反射張力の推定による脳の伸張反射調節機構の解明 楠本秀忠ら