はいどーもーみっちーです!
少し時間をかけてパーキンソン病のリハビリテーションを重症度分類別に詳しく説明していこうと思います。
本日は、Hoehn & Yahrの重症度分類の1、2について説明していきたいと思います。
Hoehn & Yahrの重症度分類の1~2は
1:片側だけにふるえやこわばりが出現していること。
2:両側にふるえやこわばりが出現していること。
です。
詳しくは、こちらを参照してください。
パーキンソン病 Hoehn &Yahr 1・2のリハビリテーション目標
まずはじめに、パーキンソン病は病期に対して、リハビリテーションの内容が変わります。
ここでは目標を考えていきたいと思います。
上記の表に記載されている通り、治療目標は
- 活動性低下予防
- 動作や転倒への不安予防
- 身体機能の維持向上
この段階での目標は、神経変性以外で機能を落とさないようにすることです。
活動性が落ちれば、廃用が進みます。
廃用が進めば動きづらくなります。
自信を失う
動きたくなくなる。
廃用がさらに進む
また自信を失う
といったサイクルが発症当初から起こると進行が加速し、誤嚥性肺炎を起こし、最悪、亡くなるケースがあります。
では具体的になにをしたらよいのかを書いていきます。
パーキンソン病のリハビリテーション治療介入
パーキンソン病のHoehn & Yahr1・2では
- 活動的なライフスタイルの提案
- 廃用予防のための練習
- 近親者への指導
が主になってきます。
ここでは、まず、動ける体を作ることが大切です。
動きづらい体なのに、活動的なライフスタイルを見出すといっても本人がピンと来ないと思います。
そのため、重要視したいのは、再度になりますが、動ける体を作ることです。
なにをするべきかってことは詳細があまり載っていないので調べたことを具体的に活動的な体を作るための練習内容を紹介していきたいと思います。
筋力強化
筋力強化では、Corcosらの研究によると、筋力低下は屈筋より伸筋群に起きやすく、このことが特徴的な姿勢を作り出していると述べています。
また違う知見では、腸腰筋の筋力低下や筋横断面積も低下するとされており、屈筋群にも低下をきたします。
これは筋力トレーニングで、日常生活動作の動きが改善したという報告もされています。
森尾らの報告によると悲監視下での50m以上の歩行が可能であった対象者は、下肢伸展筋力体重比が筋力下限値は0.20kgf/㎏としている。
この評価は難しいですが、ある程度膝伸展筋力が歩行に必要ということを指しています。
個人的にですが、腹部のやせが生じている人が多く、腹部のトレーニングも欠かせないです。
このように、今後の姿勢の事、日常生活動作の事を考えながら筋力強化を進めていかなければなりません。
いろんな知見がある中で、筋力強化は、グレードBと低いですが、単部位をターゲットにするのではなく、全身的に介入し、特に伸筋群、腸腰筋を攻めてもいいかもしれません。
方法としては、重錘を使用して(抵抗運動でも可)、MMTの教科書に載っている方法で1RMの80%ほどの重量で10~15回実施します。
※パーキンソン病のリハビリテーション(EBMに基づくガイドライン) 2003 中馬より引用
MMTがない場合は、腹筋、足上げ、背筋、お尻上げなど実施するとよいです。
可動域事態に問題がある場合は、限界可動域の部分で運動方向を適切に誘導しながら実施します。
バランス練習
左右への重心移動(片脚立位~反対側片脚立位)の練習は不可欠で片山らの報告によると、最大下肢荷重率といって、体重計を両下肢それぞれに置き、どれくらい体重移動ができるかを評価したもので、最低でも70%以上の重心移動能力は院内歩行をするのに必要だと述べています。
岡本らの報告による、バランス障害は、
- 静止立位
- 外乱に対する反応的姿勢調節
- 随意運動の準備としての予測的姿勢調整
- 歩行時のような動的姿勢制御
この4つの主要な姿勢制御系から構成されています。
静止立位の安定性
安定性限界の拡大と安定性限界内における圧力中心の制御の改善により転倒発生率が減少したと報告されており、支持基底面内で多方向に大きな重心移動を伴う動作は安定性限界の拡大に寄与されていると考えられています。
そのため、多方向へのリーチ練習で安定性限界の拡大を図るとよいと考えます。
外乱に対する反応的姿勢調節
外乱に負荷に対するステップ練習により、ステップ開始までの時間が短縮し、ステップ長が延長したとの報告があり、急な外乱によるステップ動作は姿勢調節に必要だと考えます。
そのため、練習は、軽い負荷から開始し、患者にどの方向からどれくらいの負荷でと伝え、予測できるようにします。
後に、負荷量、方向を伝えずに実施していくと難易度も調節できると思います。
随意運動の準備としての予測的姿勢調節
日常生活で考えられる動作での、姿勢をおさらいして、どのときにどのような姿勢になるかを把握しておくとよいです。
例えば、高いものを取る際に考えられることは、目標物をみるために頸部伸展し、上肢を挙上するため、後方にのけぞるような姿勢になります。
このように危険を予測できていれば、随意的に姿勢を変えることも可能です。
動的姿勢制御
二重課題などにより、歩行が変動してしまうことがあり、この変動が転倒リスクに関連していると報告されています。
そのため、しりとりや、計算、お盆を持つなど二重、多重課題での歩行練習で強化する必要があります。
個人的な感想ですと、どれも必要ですが、ボルグバランススケールの内容は基本動作に直結しており、動的バランスも含まれていたりと良いことばかりだと考えています。
そこに加え、鎌田らの報告によると、動作の中で有意に点数が低いのは、360°回転でこの動作を早期から練習することで転倒リスクの減少に有効であるとしています。
神経疾患患者を対象とした報告では、BBS:40~45点以上が院内歩行や補助具なし歩行の自立基準とされておりますので、これを目標にまずは介入を進めましょう。
関節可動域練習
固縮が起こり、筋緊張が更新してしまうのが特徴で、上記でも書きましたが、背筋群の筋力低下が起こります。
そして、特徴的な姿勢(camptocormia:腰曲がり)になり、屈曲筋の短縮が生じます。
短縮してしまうと関節運動が不十分になり、転倒リスクに繋がります。
屈筋群を中心にストレッチやマッサージを行ってもらう事が大事だと思います。
これは個人的な知見ですが、股関節の外内旋、体幹の回旋、いわゆる全身的な捻れに繋がる関節可動域が制限されている印象で、360°回転もねじれ運動のレベル向上に伴いレベルが上がっていると感じています。
持久力運動(有酸素運動)
安藤らの報告によると、重症度と最大酸素摂取量は相関せず、barthel indexと最大酸素摂取量は相関するという報告があります。
そのため、不動な時間を作らない。家事をしてもらうなど動く時間を増やす事が、ポイントだと考えます。
また、有酸素運動として、自転車エルゴメータやトレッドミルも効果的です。
どちらも負荷を上げ過ぎてしまうと、目標回転数まで回せないや、足がついていかないなどの弊害があると思いますが、できる範囲で本人の疲労感と最大心拍数を気にしながら介入すると良いです。
他に、メンタルケアが必要ですが、うつ症状を呈する場合があります。
この状態は、専門家による治療をお勧めいたします。
悩みという部分に対しては、しっかりとUPDRSや生活の質の評価(SF-36)、傾聴して、解消出来るところを探して対応が必要です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
Hoten & yahrの重症度分類で1、2の方は日常生活を送れている状態ではあります。
しかし、動きづらさも自覚しているはずです。
そのため、動かなくなり廃用症候群が進んでしまいます。
加齢による低下、動かないことによる筋委縮、廃用といった、
ループから抜け出す事がこの段階では必要な事だと考えています。
パーキンソン病だから筋力がつかないというわけではありません。
年齢関係なく、病気関係なく集中的にトレーニングをした場合、筋力の増大を認めたという報告もありますので、進行性疾患だからと諦めずに筋トレ、ストレッチして
転ばないようにする事を年頭にたっくさん動きましょう!!!
少しでも参考になればと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
<p class="r-fuki micchi">では!!!</p>