はいどーもーみっちーです!
今回は前回の続きといきたいと思います!
前回の内容はこちら
忘れてないとは思うけど、誤嚥はなぜ起こるのか知りたいよ!
わっわっわかっているよ!では始めていこうか!!
始めに
前回の内容は、正常の飲み込みとパーキンソン病になると、特徴的な嚥下になるよっという話をしました。
本日は、その特徴的な嚥下はなぜ起こるのかを説明していきたいと思います。
パーキンソン病の嚥下障害はなぜ起きるか
嚥下障害の原因については、迷走神経の運動神経の障害および主に上喉頭神経の内枝の障害により喉頭の感覚障害が生じているとの報告があります。
咽頭期後半から食道期にかけての嚥下機能低下については迷走神経の障害が関与していると言われています。
準備期および口腔期の障害については錐体外路症状による舌の運動障害 で現れやすいとの報告があります。
これらの報告に関して、L-ドパの効果は見られなかったようですが、
ほかの文献では、運動症状の改善にL-ドパを使用して、運動症状が改善することで嚥下機能が上がるという報告もあるため、onの時間で食事が推奨されています。
運動症状による、嚥下障害に関しては改善はみられると思いますが、この報告結果から嚥下障害は、明確にはなっていませんが、非運動症状が関与していることが示唆されます。
飲み込みがしづらい状態では、誤嚥性肺炎を引き起こしかねませんので注意が必要です。
パーキンソン病の誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎は、食塊物が気管に入り炎症が起きることで熱発、呼吸困難等の症状が生じます。
ではなぜ起きるのか。
上記で、残渣物が口腔内、咽頭、喉頭内に残ってしまうと書きました。
その残ったものが、再度飲み込まれずに気管に流れてしまった場合に起きます。
また残渣物でだけで起きるとは限らず「唾液」でも起きます。
口腔内は菌や多く、乾燥していると繁殖している場合があります。
その繁殖した菌やウィルスが唾液を通じて流入しやすく、炎症が起きる誤嚥性肺炎を「不顕性肺炎」と言い、生じることが多いです。
しかし、高齢者でも発熱が軽微であることが多く、見過ごされてしまうケースが多いです。
このような現象が多々起こると重症化し、死亡するケースがあります。
不顕性肺炎は栄養状態で抵抗力等も変わってきますので、絶対に重症化するとは言い切れませんが、
そこで重要なのが、「咳嗽反射」です。
この咳嗽反射は、ドパミンが関与しており、パーキンソン病の患者はドパミンが減るため、咳嗽反射が自然と低下します。
健常人では、仮に誤嚥してもムセますよね?
あれが起きるから、肺に流れずに済んでいます。
咳嗽反射が出ないorムセこみが弱いと、間違って入ってしまったものを出すことができないので、そのまま肺に入り誤嚥性肺炎が起きてしまいます。
パーキンソン病の進行期の方は、このような現象が起きてしまいます。
唾液でも誤嚥ってするんだね
唾液でも誤嚥はよくあって、口の中に唾液は溜まっているのは分泌量が多いわけじゃなくむしろ減っているんだけど、飲み込めないことが原因って報告もあるのさ。
それってどうしようもできないの?
口腔期から咽頭期に送れないのが問題と指摘されていて、原因は舌の運動性が低下しているからって言われているよ。だから舌の廃用を進めないように食事や舌の運動をすることかな!
なるほどね!
でも誤嚥性肺炎にならないようにするためには根本的に何をしたらいいの?
それは次に説明しよう!
パーキンソン病の誤嚥性肺炎の対策
ここまで、摂食嚥下障害が起きて、食事が取れなくなると、薬の内服ができなくなります。
そして、薬効がなくなり、さらに嚥下障害が生じると、栄養不足になり、誤嚥性肺炎になってしまい最悪のケース死に至ることを説明しました。
このような悪循環を断ち切るためには
・パーキンソン症状への早期対処
当たり前のことなんですが、まずそこまでに至らないように、前駆症状というのがあり、運動症状が出始めたら、投薬調整、リハビリテーション治療をすることで
円滑な嚥下運動の獲得
摂食嚥下関連筋の筋強剛、不随意運動、姿勢保持障害の軽減
が期待できます。
前述したように、抗パーキンソン病薬で絶対に改善するかと言われると違うケースがあるので、過信はしないように常に評価して薬が効いているか確認してください。
・投薬歴が長い場合に起こる症状への対処
Wearing-off現象、ON OFFが強いとき
食事は基本的にON時に行うことが望ましいため、食前に抗パーキンソン病薬を服用するように処方調整を行います。
薬を飲むときに、服薬障害のために口腔・咽頭に薬のが残る場合があるため、薬剤効果判定は慎重に行わなければなりません。
最近では、非経口薬としてロチゴチン貼付薬(ニュープロパッチ)か、アポモルフィン注射薬も用いられます。
経口摂取や内服薬では日内変動がコントロールできないまところまでの症状が進行している場合は、直接、胃や腸に持続投与する方法もあります。
・流延対策
流延に対して、ボツリヌス毒素を唾液腺へ注射することで改善がみられたという報告があるようです。
しかし、唾液減少が生じますので、口腔衛生への注意が必要です。
・機能的手術療法の影響
深部脳電気刺激治療(DBS)では運動機能の改善が認められるようですが、摂食嚥下障害に対して、有意に効果があるかと言われると明確にはできていません。
対策はいろいろあるみたいだけど、結局、食事取れなくなった人はどうするの?
そうなった場合には、栄養も不足してしまうから、経管栄養で栄養の補填とパーキンソン病薬を投与しないといけないんだ。
詳しくは次に説明するね
パーキンソン病の経管栄養
上記がパーキンソン病では障害されますが、嚥下障害で摂食が困難になると「薬の内服」が困難になります。薬の内服が困難になると、L-ドパがの薬効がなくなるため、運動症状が憎悪します。
そしてさらに嚥下が障害され、この悪循環に陥ります。
先日更新した上記の記事にパーキンソン病の薬の副作用の部分で「悪性症候群」を紹介しました。
この副作用が内服ができないことで生じるおそれがあります。
そのため、経皮吸収ができるドパミンアゴニストであるロチゴチン・パッチの貼付、あるいは、直接的に胃や腸に送る経管栄養の手段をとらなければなりません。
経管栄養で重要なのは二点、
・摂食嚥下障害による栄養不足の補填
・直接投与による薬剤効果
が挙げられます。
経管栄養が必要かを判断しないといけないね
経管栄養と食事って併用できないの?
できるよ!実際に、食事の時間とONの時間が合わない場合は経管栄養で、ONの時には食事をするという場合もあるよ!
でもそうなるとしっかりとした評価が必要だね!
そうだね!次は評価について説明するね!!
摂食嚥下障害の評価
パーキンソン病はでは自覚のない摂食嚥下障害が多いため、突然の肺炎や窒息で入院を余儀なくされる場合が多々あります。
評価をすることで、早期発見し、対策をすることができるためとても重要です。
まずは通常でも行う
反復唾液飲みテスト(RSST)や改訂水飲みテスト(MWST)の嚥下スクリーニングテストを行うことが有用とされています。
ここで疑わしいと判断された場合は、VFや嚥下内視鏡(VE)の実施が望ましいです(施設によってはないかもしれません)
その他ですが、舌圧測定、最長発声持続時間(MPT)が実施されており、発声と舌の評価は誤嚥のリスク判定に有用です。
もう一点追加で、咽頭の感覚低下や、脳の神経症状の評価(舌咽神経など)は行っておくとよいと思います。
摂食嚥下に対するリハビリテーション
運動症状から起因する摂食嚥下障害は運動療法等で改善効果はみられますが、別の非運動症状から起因するものは摂食嚥下障害に対するリハビリテーションで有益なエビデンスが多く出ているわけではありません。
廃用を予防し、摂食嚥下機能とパーキンソン病の病態特性に対応した訓練を行うことにより、摂食嚥下機能をより良い状態にすることが可能です。
以下最近の介入研究があるため紹介します。
以上が、現状での研究の結果となっています。
最後に
これはもう特性といっても過言ではありません。
これまでの報告通り
・廃用の予防
・運動症状の改善
・薬剤効果を得るための手段選択
・姿勢変換
が重要だと思っています。
誤嚥性肺炎にしないため、発症時からの早期対策が必要ということをみなさんに知っていただけたらと思います。
食事っていろんな意味で大事だね!
特徴を捉えて対策を練らないと副作用で症状が悪化してしまう恐れがあるから気を付けないといけないね!
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました
参考になればと思います!
では!