はいどーもーみっちーです。
今回は、運動器としての「手指の重要性」を書いていきたいと思います。
※写真は日本整形外科学会より引用させていただきました。
このような手の方を見たことはありませんか?
手って難しいし、骨格筋のことも絡んでくるのに、OTのみの担当の場合が多いとよく聞きます。手はOT、下肢はPTみたいな。
なぜそのように思ったかと言いますと、いろんなところでは、手指はOTが診るような風習があると思います。
作業するのにあたって、OTは必要不可欠で、PTは骨格筋としてみる必要があり、双方ともに介入が必要です。
押し付けあうのではなく、助け合えればと思い、調べてみました。
手首と手指の構成は?
【骨】
手関節も混みで考えます。
近位から
・橈骨 1個
・尺骨 1個
・手根骨(舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨、大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鈎骨)8個
・中手骨(第1,2,3,4,5指)5個
・指節骨(第1基節骨、末節骨,第2,3,4,5指基節骨、中節骨、末節骨)14個
【靭帯】
・掌側橈骨手根靭帯
・背側橈骨手根靭帯
・内側手根側副靭帯
・外側手根側副靭帯
・多数の手根間靭帯(掌側手根中手靭帯、掌側手根間靭帯、骨間中手靭帯…)
指
・側副靭帯
靭帯は手関節の安定性のために存在し、強靭な靭帯により手根骨の位置を決定し安定している。
【関節】
・手関節
・下橈尺関節-回内・回外
・橈骨手根関節-屈曲・伸展・内転・外転
・手根間関節-わずかに滑るように動く
・手根中手関節―母指のみ屈曲・伸展・内転・外転。その他わずかに滑るように動く
・中手指節関節(MP関節)-屈曲・伸展・内転・外転
・指節間関節
・近位指節間関節(PIP関節)-屈曲・伸展
・遠位指節間関節(DIP関節)-屈曲・伸展
【筋】
(前腕筋群-作用)
・橈側手根屈筋-手根骨の掌屈・撓屈 前腕の回内
・長掌筋-手関節の掌屈 手掌腱膜を緊張させる
・尺側手根屈筋-手関節の掌屈・尺屈
・長橈側手根伸筋-手関節の背屈・撓屈
・短橈側手根伸筋-手関節の背屈・撓屈
・尺側手根伸筋-手関節の背屈・尺屈
・浅指屈筋-第2~5指のPIP屈曲
・深指屈筋-第2~5指のDIP屈曲
・総指伸筋-第2~5指の伸展 手関節の伸展
・示指伸筋-第2指の伸展 手関節の伸展
・小指伸筋-小指の伸展
・長母指屈筋-母指の屈曲
・長母指伸筋-母指の伸展・内転
・短母指伸筋-母指の伸展
・長母指外転筋-母指の外転
(手内在筋群-作用)
・虫様筋-第2~5指のMP屈曲・DPIP伸展
・掌側骨間筋-第3指を中軸に第2,4,5指のMP内転・屈曲、DIP・PIP伸展
・背側骨間筋-第3指を中軸に第2,4指を開く。第2,4指のMP屈曲、第3指MP内転・外転・屈曲、DIP・PIP伸展
・小指外転筋-小指外転
・短小指屈筋-小指MP屈曲
・小指対立筋-第5中手骨外転・屈曲回旋
・短掌筋-手掌の窪みを深める。
・短母指屈筋-母指の屈曲・内転
・短母指外転筋-母指の外転・屈曲
・母指対立筋-母指の屈曲・対立
・母指内転筋-母指の内転・対立
【手のアーチ】
把握動作の際に縦や横、斜め方向に掌側の凹状の曲面を作り適応するために存在。
・縦方向のアーチ:手根骨-中手骨-指骨で形成。示指と中指のアーチが重要
・横方向のアーチ:遠位手根骨列で形成される固定性の手根骨アーチと中手骨頭で形成される可動性の中手骨アーチ
・斜方向のアーチ:母指とほかの4指で形成され、把握動作で最も重要なアーチ
手と手指の運動って
手と指の基本となる運動はつかみ(握り)動作(grasp)とつまみ動作(pinch)です。
【手の把持動作パターン】
・つかみ(grasp):5本の指を放して瞬間的にものをとらえる動作
・握り(grip):指をそろえて持続的にとらえている動作
※つかみと握りは区別なく使用されることが多い。
・力強い握り:母指とほかの4指が対立位となって棒を掴むような動作
※母指と示指の先端が触れるくらいの肢位が一番力が入る。筋は手指屈筋群の中でも虫様筋・骨間筋、母指では母指球筋の中でも母指内転筋が重要
・正確な握り:PIP関節は屈曲、DIP関節は伸展
※主要な筋は第2指の深指屈筋、短母指屈筋、短母指外転筋、母指内転筋
【手の機能肢位】
安静肢位と機能肢位があり、
安静肢位:睡眠時や麻酔下でみられる。
機能肢位:手の各種動作を起こしやすい
【代償動作】
・手関節屈曲
橈側手根屈筋の弱化により、尺屈しながら屈曲する。
→浅・深指屈筋が働いて手関節を屈曲させる。
長掌筋・尺側手根屈筋が働くことで、手関節背屈時に尺屈が伴う。
尺側手根屈筋の弱化により、撓屈しながら屈曲する。
→長掌筋、橈側手根屈筋、浅・深指屈筋の作用により、手関節屈曲時に撓屈を伴う。
・手関節伸展
長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋が弱化すると、指を伸展することで手関節背屈を代償する。
→前腕筋群である指伸筋が働くと、指節間関節は伸展した状態で手関節を背屈する。これは上腕骨外側上顆により起こり、第2~5指の中節骨と末節骨背面につく指伸筋の走行と関係がある。
・母指対立
母指内転筋が弱化すると、母指は屈曲して小指へ向かう現象が出現する。
→内在筋の筋委縮がある場合、外在筋での代償が入るため、浅・深指屈筋や長母指屈筋、短母指屈筋を働かせて、指節間関節屈曲させる。
・母指掌側外転
短母指外転筋、長母指外転筋が弱化すると、母指の指節間関節および中手指節関節を屈曲して掌側外転を代償する。
→長母指外転筋は橈側外転と伸展に作用するため、掌側外転の補助筋である、長掌筋と短母指屈筋による代償作用。
・中手指節間関節の伸展
これは握力計で握力を測るときの開始肢位になります。
→指伸筋、示指伸筋、小指伸筋が弱化すると手関節を屈曲させることによって、伸筋群を新調させ、指節間関節を伸展させて代償しようとする。(テノデーシス効果)
まとめ
いかがだったでしょうか?
手関節以降の解剖やシステム的なところも改めて調べてみて勉強になりました。
まずはなにが起きているか(代償など)を筋が密集しているので、どこの弱化など判断が必要だと感じました。
今回の調べで、今、目の前の人(内在筋、外在筋の萎縮)に必要だと感じているのは、自分の想像通り、重要だなと思った筋は、母指内転筋、骨間筋、虫様筋を強化して、まずは握る動作の獲得がADLにつながると感じました。
手を相手にするなら、PTはOTがやるからと言って無関心にならず、OTは機能解剖学をPTほどやっていないからと言って無責任にやらず、目の前の方を良くするために考えていきましょう!!
↑かなり自戒の念を込めて
本日も最後までみていただきありがとうございました!
では!!!